「大阪市立桜宮高等学校の生徒自殺に対する橋下市長の間違った選択」

平成25年1月29日

先日、大阪市立桜宮高等学校バスケットボール部で、顧問が生徒に体罰を振るい自殺に追い込むという、あってはならない事件が発生しました。
 この件に対し、橋下大阪市長は事の重大さを感じるとともに、来年度の入試に関し体育科とスポーツ健康科を廃止し普通科に変更させました。また、今回の事件では、責任の所在は学校全体にあり、その学校を統括している教育委員会に問題があり、さらに教育委員会は独立した機関なので自分には責任はないともとれる発言をしております。
 私は、この判断は本末転倒であると考えています。 何故なら、今回、自殺した生徒はバスケットボール部の顧問によるクラブ活動中の体罰が原因とされておりますが、これが真実であるならば第一義的にはバスケットボール部全体の問題であるといえます。そして、バスケットボール部には普通科や体育科など、あらゆる科から生徒が入部しており、決して体育科やスポーツ健康科だけの問題ではありません。従って、体育科とスポーツ健康科を廃止することで今回の事件が改善されるとは思えません。 また、責任は学校全体にあり、かつ学校を統括している教育委員会に責任があることは自明の理でありますが、そもそも教育委員会の委員を任命するのは何処なのかというと、それは、大阪市長が大阪市議会に教育委員会委員の任命にあたって議案を提出し、議会の同意を得て教育委員会委員が決定されるのです。
 従って、教育委員会に問題があれば、その教育委員会委員任命に同意した議会に責任の一端があり、任命権者の市長にはそれ以上の責任があるのではないでしょうか。 橋下大阪市長は、選挙で多くの市民から支持されて市長になるとともに、政党の共同代表として多くの国民から支持されていますが、そのことにより、自分の考えることは全て国民から支持されているのだと勘違いしているのではないでしょうか。 橋下大阪市長には、多くの人々の意見を聞くとともに、冷静に考え直すことこそが独裁者にならない意味でも必要ではないかと私は考えております。
 そして、誰も触れてはいませんが、「自殺してはダメだ。」ということを、子どもたちに再度、教育する必要があるのではないでしょうか。 自殺に追い込んだ原因を徹底検証することは大事なことですが、何よりも自らの命を絶つということは絶対にしてはならないことで、親・兄弟・友人・知人等、相談できる人を作るなど、子どもたちに「死」に対する教育を徹底するべきだと私は考えております。
 

社会を斬る!

越谷市議会議員    伊藤 おさむ       


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